超音波を利用することで、さまざまな気体や液体の流量を高精度に測定できます。導電率、圧力、温度、粘度などの影響を受けにくい点も特長の一つです。
流れに逆らって泳ぐときは、流れに乗って泳ぐときよりも、多くの時間と力が必要になります。このシンプルな現象が、「伝搬時間差方式」を用いた超音波流量測定の基本原理です。この方式では、測定管内に向かい合うように配置された2つのセンサを使用します。
各センサは、超音波信号を交互に送受信しながら、信号の伝搬時間を測定しています。測定管内で流体が流れ始めると、流れ方向に進む信号は速くなり、反対方向に進む信号は遅くなります。2つのセンサで測定された伝搬時間差は、流量に正比例します。
超音波流量計の測定原理については、ぜひこちらの動画をご覧ください!
超音波流量計の特長
- 液体や気体を問わず適用可能な測定原理
- 質量流量、密度、温度、粘度を同時に測定可能
- 高精度測定に対応:標準 ±0.1% o.r.、オプション ±0.05% o.r.(PremiumCal)
- 流体の物性や流速分布の影響を受けにくい測定原理
- 上流側/下流側の直管長が不要
配管システムでは、日々さまざまな物質が輸送されています。
たとえば、溶媒や化学薬品、食品産業で使用される植物油、工業用途の冷却剤、さらには石油化学製品など、その種類は多岐にわたります。
配管内を流れる流体は、それぞれ異なる特性を持つため、流量測定にも用途に応じたさまざまな測定原理が必要です。
その一つが、超音波を利用した「伝搬時間差法」に基づく流量測定です。
この測定原理の基礎となる考え方は、英国の物理学者でありノーベル賞受賞者でもあるレイリー卿にまでさかのぼります。
1877年に出版された著書『Theory of Sound』では、固体や気体における音波の伝播について詳しく説明されています。
それでは、この測定原理の仕組みを見てみましょう。
超音波流量計の測定管内には、複数のペアになったセンサが互いに向かい合うように配置されています。
各センサは、超音波信号を交互に送受信すると同時に、その信号の伝搬時間を測定しています。
超音波信号は、圧電結晶素子に電圧を加えることで発生します。逆に、超音波信号を受信すると、圧電結晶素子によって電圧が発生します。
さらに、センサペアの数を増やすことで、配管断面全体における流速分布の偏りをより正確に検出し、数学的に補正できるようになります。
流体が流れていない状態では、超音波信号の伝搬時間は、上流側と下流側で同じになります。
しかし、測定管内を流体が流れ始めると、流れ方向へ進む超音波信号は速くなり、逆方向へ進む信号は遅くなります。
その結果、流れ方向では伝搬時間が短くなり、逆方向では長くなるため、2つの信号の間に伝搬時間差が生じます。
センサで測定されたこの伝搬時間差は、配管内の流速に正比例します。
さらに、測定管の断面積が既知であるため、実際の流量を算出できます。
流速が高くなるほど、2つの超音波信号間の伝搬時間差も大きくなります。
超音波流量計では、センサを必ずしも配管内へ組み込む必要はありません。
たとえばクランプオン方式では、センサを配管の外側へ直接取り付けます。そのため、プロセスを停止することなく、後付けで設置することが可能です。
クランプオンセンサでは、超音波信号が配管壁を通して流体内へ伝わります。信号は流体内を横断した後、この例で示す2トラバース設置では、反対側の配管壁で反射し、もう一方のセンサによって受信されます。
クランプオン方式の大きな特長は、最大直径4 mの大口径配管でも流量測定に対応できる点にあります。そのため、水処理分野や水力発電分野など、幅広い用途で活用されています。
超音波流量計のメリットは、柔軟な取付けと高いプロセス安全性、優れたコスト効率を兼ね備えていることです。
幅広いアプリケーションに対応する最適なソリューションをご用意しています。
Endress+Hauserは、測定技術のシングルソースサプライヤーとしてお客様を支えます。