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プロセス産業におけるMESおよびDCSによるサイバーセキュリティの構築

製造実行システム(MES)と分散制御システム(DCS)は、お客様のオートメーションに対する戦略や取組みに合わせて制御をカスタマイズし、リアルタイム分析を統合することで、効率、精度、レジリエンスを向上させることができます。

プロセスプラントの制御室で複数の画面を確認している男性

プロセス産業のデジタル化が進むにつれて、情報技術(IT)と運用技術(OT)の両方のアプリケーションから流れるデータ量が増加しています。では、このデータを安全に活用して、プラントの性能と生産性を最適化するにはどうすればよいのでしょうか?

このデータを活用するには、上位のERP(企業資源計画)システム(IT)と、個々のアセットおよびその直接制御システム(OT)との間のデジタルブリッジが必要です。包括的なソフトウェアシステムである製造実行システム(MES)と分散制御システム(DCS)を導入することで、データを活用してプロセスをリアルタイムで監視、追跡、文書化、さらには制御することができます。

以前は、プロセスオートメーションはプラントの運転を継続するためのものでしたが、今日では、システム、人、ネットワークを横断して、製造を正確かつ最高水準で実行することが求められています。MESとDCSは、データのシームレスな流れを促進することで、データに基づいた意思決定や、高度に自動化された、柔軟で効率的な製造プロセスの構築に役立つ、高品質の情報を生成する上で、重要な役割を果たします。

スマートマニュファクチャリングの出発点:PLC、DCS、MESの役割

プロセス産業オートメーションでは、信頼性は重要な要素ですが軽視されがちです。たとえば、指示が正しいこと、パラメータが変更されないこと、データが正確であること、記録が実際の状況を正しく反映していること、などに対する信頼性は非常に重要です。

スマートマニュファクチャリングとプロセスオートメーションはどちらもプログラマブルロジックコントローラ(PLC)、分散制御システム(DCS)、および(特定の産業や使用事例においては)製造実行システム(MES)間の相互連携に依存しており、以下に示すように、それぞれが異なる役割を担っています。

  • PLCは、高速のオートメーションタスクをアセットに直接割り当てます。
  • DCSは、統合プロセス制御、オペレータによる監視、安定した連続運転を実現します。
  • MESは、手順や処理のワークフロー、トレーサビリティ、レシピ/バッチによる製造を管理します。

これらのシステムを組み合わせることで、単に「プラントの運転を継続する」ことから、最高水準の製造を正確に実行する運用へと移行できます。ただし、これらのシステムは、信頼性の高いデータがなければ、その潜在的価値を最大限に引き出し、オペレータに有益な情報を提供することはできません。システムが生成するデータの品質は、プラントのインストールベースの個々のアセットやセンサから取得されるデータの品質によって決まります。

インテリジェントフィールド機器、制御システム、分析機能、クラウド環境を、サイバーフィジカルシステム(CPS)と呼ばれる単一の協調的なエコシステムに緊密に統合することで、プロセスオートメーションをさらに進化させることができます。CPSは物理プロセスをデジタル化することで、MESとDCSに提供されるリアルタイムデータの精度を確保できるだけでなく、コンテキストに関するデータも提供できるため、よりスマートな意思決定、予測に基づいたアクション、より自律的な運転を可能にします。プラントの接続性がますます高まっていく中で、CPSはデータに基づく安全なバックボーンを提供し、信頼性と効率を飛躍的に高め、今後のスマートマニュファクチャリングに対応できる基盤となります。

製造実行システム(MES)と分散制御システム(DCS):実行のバックボーン

製造実行システム(MES)と分散制御システム(DCS)は、デジタル化された運用業務における実行層として機能します。これらは、計画、制御、人間の行動が交わる地点、つまりデータが情報から実際の運用業務に変換される地点に配置されます。プラントでMESまたはDCSのどちらを使用する場合でも、手順化された接続性の高いソフトウェア定義型の実行が増加するほど、サイバー脅威に対する脆弱性も高まります。

これらのシステムは、プラントのITとOTの融合地点に配置され、潜在的なサイバー脅威の標的となり、1つのセキュリティ侵害が発生しただけで製造中断、コンプライアンス違反、安全性低下につながる可能性があります。したがって、プラントの接続性がますます高まっていく中で、レジリエンスとデータ/情報の完全性を確保するには、安全な認証、ネットワークセグメンテーション、継続的な監視によって、このデジタル化のバックボーンを保護する必要があります。

多数のEndress+Hauser製機器の前で、ハンドヘルド機器を確認している男性 ©Endress+Hauser

プロセス産業におけるオペレーショナルエクセレンスの推進

製造実行システム(MES)と分散制御システム(DCS)は、デジタル化の促進において重要な役割を果たします。両者ともにオートメーションを推進する上で効果的ですが、産業ごとにニーズが異なるため、いずれか一方のシステムがより多くのメリットをもたらす場合があります。MESは品質管理、トレーサビリティ、レシピ管理に対応しており、DCSは物理機器の制御やプロセスの安定性と信頼性に重点を置いています。

最終的な目標は、デジタル化とオペレーショナルエクセレンスを促進するシステムを構築することです。そして、この目標を達成するために、これらのシステムはデジタル対応アセットとそれが生成するデータを利用します。したがって、スマートマニュファクチャリングを実現し、正確な制御と優れた信頼性を確保するには、システムにデータを提供する高品質の測定機器への投資が鍵となります。

リアルタイムデータ分析による効率の最大化

デジタル対応機器により、リアルタイムデータと分析データにアクセスできるため、プラント事業者は業務をこれまでよりはるかに効率化できるようになりました。インストールベースからデータが継続的に収集/分析されることで、プロセスの状況や、効率が低下する可能性のある領域を即座に把握できます。また、MESやDCSなどの実行システムは、データを使用して運転状況を分析するプラント事業者向けの運転管理ハブとして機能します。

エッジコンピューティングとクラウド統合をプロセス産業に組み込むことで、これらのシステムの可能性はさらに高まります。エッジコンピューティングは、データソースの近くでデータを処理するため、品質チェックや予測アラートなどの重要なタスクにおいて、低遅延と運用上の可用性を確保できます。一方、クラウド接続は、複数拠点のデータを集約することでエッジコンピューティングの機能を拡張し、高度な分析と企業全体の視覚化を実現します。これらを組み合わせることで、即時の運用制御と長期的なプロセス最適化の両方に対応するハイブリッドモデルが構築されます。

実行システムが、相互に接続されたソフトウェア定義型のデジタルシステムへと移行していくにつれて、安全な接続への依存度が高まり、セキュリティの確保が重要な課題となっています。

デジタルプラントのセキュリティ確保とサイバーレジリエンスの構築

実行システムが、相互に接続されたソフトウェア定義型のデジタルシステムへと移行していく中で、実際の製造状況を判断するシステムをどのように保護すればよいか、という問題を避けて通ることはできません。

注釈

デジタル化の詳細についてはこちらをご覧ください