EtherNet/IPとIIoTについて知っておくべきこと
Article
05.01.2026
要約
アナログ技術は、長年にわたりオートメーションシステムの基盤として機能してきたため、産業プラントでは現在でも広く利用されています。 産業は、イーサネットベースのソリューションや無線ソリューションの普及により、デジタル通信への大きな転換期を迎えています。 EtherNet/IP は、この転換期における重要なプロトコルであり、接続と統合に関する新たな可能性を提供します。EtherNet/IPが正しい選択と言えるのでしょうか?その答えは、お客様の具体的なアプリケーションと要件に応じて異なります。 この記事では、EtherNet/IPの基本事項を再確認し、EtherNet/IPによってIIoT(Industrial Internet of Things)で高度な機能をどのように実現できるのかについて考察します。
家庭用イーサネットとEtherNet/IPの違いとは?
無線ネットワークの普及に伴い、イーサネット機器の数は減少していますが、イーサネットは依然として私たちの日常生活に欠かせない要素であり、インターネット接続やスマートテレビなど、さまざまな用途で利用されています。産業環境では、イーサネットは大きな進化を遂げています。EtherNet/IPの「IP」という用語は、インターネット接続においてもよく使用される用語のため、紛らわしいと思いますが、ここでの「IP」は「Industrial Protocol(産業用プロトコル)」の略語であり、産業アプリケーション向けに改良されたプロトコルであることを表しています。
フィールド機器は、家庭にあるようなケーブルとコネクタを使用してイーサネット経由で接続できます。当然ながら、産業アプリケーションでは厳しい条件に対応するために、より堅牢なバージョンが必要となりますが原理は同じです。したがって、このような「新しい」産業用イーサネット機器の動作については、すでによくご理解いただいていると思います。これがいかに慣れ親しんだ技術であるかを説明したところで、今度はその特徴について詳しく見ていきましょう。
1990年代に、ControlNet International Ltd.の小さなチームが、後にEtherNet/IPとなるプロトコルの開発に着手しました。2000年頃には、彼らはプロジェクトを進めるには、さらなる支援が必要であることを認識しました。当時はクラウドファンディングという選択肢がなかったため、従来の手段で打開策を探りました。
そして、1995年に設立されたオートメーションメーカーの団体であるOpen DeviceNet Vendors Association(ODVA )との提携に至りました。ODVAはEtherNet/IPの開発に協力することに合意しました。2009年、当初の開発者たちは、このプロトコルに関するすべての権限をODVAとそのメンバーに移譲しました。現在、ODVAは産業用共通プロトコル(CIP™)と、ControlNet®、CompoNet®、DeviceNet®などの関連技術の管理/推進に取り組んでいます。
ODVAは、プロトコル開発の枠を越えて、ベンダーやシステム間の相互運用性を保証しています。これは産業オートメーションにおける複雑な課題です。ODVAは、統合と導入を簡素化するために、市販の既製品(COTS)と、変更が加えられていないインターネット/イーサネット技術の使用を推奨しています。
CIPを基盤とし、開放型システム間相互接続(OSI)モデルと標準TCP/UDPスイートに準拠したEtherNet/IPは、柔軟性に優れたクラス最高のイーサネットネットワークであり、オープンIEC規格です。フィールドセンサ、コントローラ、制御システムを同じネットワークで接続できます。
導入分野は多岐にわたり、電源制御(モーター、ドライブ、ソフトスターターなど)やディスクリート制御(安全I/IO、ロボットなど)も含まれます。このネットワークでは、IPカメラ、WiFi、IP電話も利用できるため、可能性に満ち溢れています。これらの機能はすべて、EtherNet/IPがIIoTサービスの強化に十分対応できることを示しています。
ここでは規格全体の説明ではなく、知っておくべき重要なポイントを以下に列挙します。
IEEE 802.3:規格、イーサネット、高精度時間プロトコル(IEEE-1588) IEC:国際電気標準会議 – IEC 61158 ODVA:産業用共通プロトコル(CIP) IETF:Internet Engineering Task Force、標準インターネットプロトコル(IP) さらに、EtherNet/IPではセッション層にCIPを追加しますが、これはOSIモデルのプロトコルフレームワークにも準拠しています。次の図をご覧ください。
©Endress+Hauser
さまざまな通信方法を利用することができます。物理層では、無線、銅線、光ファイバーなどを使用できます。データリンク層は、さまざまな規格に対応しており、これは物理層に応じて異なります(例:IEEE 802.3(光ファイバー)、IEEE 802.3または802.1(銅線)、IEEE 802.11(WiFi)など)。
新しいAdvanced Physical Layer(Ethernet-APL)では、危険場所でも、ケーブルは電源用と通信用の2本のみです。
イーサネット技術は、10 Mbps、バス/ツリー型トポロジー、半二重通信から、100 Mbps/1 Gbps、全二重、スイッチ/ルーターベースのスター型トポロジーへと、大きく進化しました。この進化により、イーサネットネットワークは重要な産業システムにも対応できるようになりました。
EtherNet/IPはアクティブなインフラであり、スター型トポロジーでポイント・トゥー・ポイント接続を使用し、ネットワークセグメントで構成されます。このトポロジーの中核となるのは、第2層と第3層のスイッチの相互接続です。これらのスイッチは、多数のポイント・トゥー・ポイントノードをサポートします。
©Endress+Hauser
EtherNet/IPネットワークは、線形トポロジーや単一故障耐性を備えたリング型トポロジーにも対応できます。その場合は、組み込みスイッチと機器レベルリング(DLR)技術が使用されます。このような代替トポロジーを組み合わせることで、ケーブル配線と通信レイアウトを最適化できます。
©Endress+Hauser
EtherNet/IPについて本当に知っておくべきこととは?
EtherNet/IPネットワークの技術情報を掘り下げて説明することも可能ですが、ここでは主要なトピックを3つの質問にまとめ、要点を押さえながら簡潔に説明します。ネットワークへの理解を深める上で、これらの回答を活用していただければと思います。
EtherNet/IPはTCP/UDP IP規格に準拠していますが、これは何の略語でしょうか?TCP(Transmission Control Protocol:伝送制御プロトコル)は、信頼性は高いが低速なデータ転送をユニキャストのパケット/フレームで提供します。たとえば、電子メールやウェブブラウジングではTCP接続が使用されており、診断データの伝送などに適しています。一方、UDPはオートメーションや制御アプリケーションでのI/Oデータの伝送などに適しています。
©Endress+Hauser
UDP(User Datagram Protocol:ユーザーデータグラムプロトコル)については、接続はTCPに比べて格段に高速ですが、転送されたデータが受信側に確実に届くという保証はありません。ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャストのパケット/フレームが使用され、音楽や動画のストリーミングなどに利用されます。
2 – EtherNet/IPを他のTCP/IPアプリケーションと併用することはできますか?
はい、EtherNet/IPは他のTCP/IPアプリケーションとの共存を実現するために開発されました。市場でよく見られるTCP/IPアプリケーションの例を以下に示します。
HTTP – ハイパーテキスト転送プロトコル SNMP – 簡易ネットワーク管理プロトコル Modbus/TCP OPC UA
3 – EtherNet/IPの基本コンポーネントとは?
ネットワークは、機器と制御システム間の通信を可能にする重要な要素で構成されます。EtherNet/IPには3つのクラスがあり、このクラスによってコンポーネントとその使用方法が識別されます。
©Endress+Hauser
スキャナ: スキャナクラスは、更新時間により定義されるサイクルでネットワークの入出力変数をマッピングします。例:PLCおよびコントローラメッセージング: メッセージングクラスは、リアルタイムのI/Oデータではなく、明示的メッセージングをサポートします。例:診断、ネットワーク設定ツール、SCADAおよびHMIシステムアダプタ: アダプタクラスは、EtherNet/IPプロトコルを搭載した機器において機器固有の機能を提供します。
EtherNet/IPはIIoTソリューションでどのように活用できますか?
EtherNet/IPはデジタル通信であり、統合とデータ利用の可能性を広げます。NAMUR NOAコンセプトに従い、エッジデバイスを使用してネットワークから直接情報を取得し、さまざまなクラウドサービスに送信できます。たとえば、Endress+HauserのNetilion lloTエコシステムは、複数の方法でEtherNet/IP機器をサポートしており、Analytics、Library、Health、Valueの各サービスにEtherNet/IP機器を利用でき、さらにAnalyticsとLibraryでは他社製機器も利用できます。これらのサービスにより、データの有用性が向上し、どこからでも正確な情報を取得できるようになります。各サービスは、日常業務に多大なメリットをもたらします。
IIoTサービスを活用することで、フィールド機器の有用な情報に容易にアクセスできます。クラウドとの統合、産業の発展、新たなレベルのメンテナンスへの進化、生産性の向上などを容易かつ安全に実現できます。
F
L
E
X
標準的製品
高い信頼性と堅牢性、容易なメンテナンス
技術的卓越性
シンプルさ
特殊仕様の製品
要件の厳しいアプリケーション向けに設計
技術的卓越性
シンプルさ
FLEX セレクション
技術的卓越性
シンプルさ
Fundamental セレクション
基本的な測定要件に対応
技術的卓越性
シンプルさ
技術的卓越性
シンプルさ
Extended セレクション
革新的な技術でプロセスを最適化
技術的卓越性
シンプルさ
Xpert セレクション
最も困難なアプリケーションにも対応
技術的卓越性
シンプルさ
Netilionは工業用プロセス向けに開発された、受賞歴のあるIIoTエコシステムです。物理的な世界とデジタルの世界をつなぎ、現場の重要な情報をお客様にいつでもどこへでも送ることができます。
Certified Basic PROFINET Technology
05.05.2026 - 06.05.2026
15:30 - 23:30 JST
Reinach,
スイス
At the end of the course you will know about the features of the PROFINET technology and the PA profiles, network design of 100BaseTX and Ethernet-APL.
PI Certified PROFINET Engineer and PA Module
08.06.2026 - 11.06.2026
15:30 - 23:30 JST
Reinach,
スイス
A certified training program according to PI (PROFIBUS/PROFINET international) guideline.
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