安全で信頼性の高い二酸化炭素回収プロセスを可能にする計装

アミン溶媒を使用した化学吸収法は、最も利用されている二酸化炭素回収技術です。このプロセスの課題として、収益性低下を招くアミンの損失、劣化、およびエネルギー効率の問題が挙げられます。CO₂回収溶媒の品質をリアルタイムで監視可能なEndress+Hauserのラマン分光計には、以下の特長があります。

• 手間のかかるオフラインでの分析を排除
• 変化の激しいプロセス条件下でも、全CO₂およびアミンの濃度を予測
• 溶媒品質の変化および劣化を監視し、損失を低減
• CO₂回収プラントのダウンタイムを最小限に低減

標準的なプロセス装置には、接触（吸着）塔と再生（蒸留）塔が含まれます。安定した運転を行うには、これらの塔での効果的なレベル制御が重要です。リボイラーの過負荷を避けるには、一定のレベルと安定したリッチアミン流量を保つことが不可欠です。ガイドレーダーレベル計の測定技術は、高精度なレベル測定により、以下を可能にします。

• 測定物やプロセス条件が変わっても信頼性の高い測定
• メンテナンスフリー：可動部なし
• HistoROMデータ管理による容易な設定と診断
• マルチエコートラッキング評価

アミン溶媒を使用した回収プロセスでは、温度を正確に保つことが重要です。接触塔に流入する燃焼排ガスとアミンストリームの温度差が規定の制限値を超えると、ガスの結露、発泡、および損失の原因となります。また、付着物を検出し、信頼性を高めるためには、熱交換器の壁面全体に対する信頼性の高い温度監視が必要です。再生塔内での温度測定により、アミンの品質を維持し、アミンの劣化を防ぐことができます。弊社の計装により、以下を実現できます。

• DIN規格に準拠した標準的なセンサヘッドによる柔軟な設計
• 特殊なサーモウェル先端による超高速応答
• iTHERM StrongSens：優れた耐振動性（> 60g）でプラントの高い安全性を確保
• iTHERM QuickSens：最速の応答速度（t90＝1.5秒）によりプロセス制御を最適化
• カスタマイズされた耐熱シースによる高精度なスキンタイプ表面測定

CO₂の最適な回収には、アミン吸収法におけるpHの精密な制御が不可欠です。アミン溶液を作る際に使用する水の品質も、運転効率に大きく影響します。純水や蒸留水を使用することで、発泡、腐食、閉塞といった問題を防ぎ、メンテナンス不要の運転を実現します。 当社のMemosensテクノロジー搭載pHセンサーは、以下のようなメリットを提供します：

• ケーブルセンサーとケーブル間の誘導結合により、過酷な環境下でも安定したエネルギーとデータの伝送が可能
• Memosensデジタル技術により、すべての関連センサー情報とプロセスデータを正確に取得
• 参照電極の劣化（リファレンスポイズニング）を防ぐ強化設計
• 高い化学耐性を持つ特殊電解液を採用し、長寿命かつ安定した測定を実現

二酸化炭素回収プロセスでの流量測定は、プロセス効率を監視および制御する上で不可欠です。過剰な循環は、燃料消費量の増加、リボイラー容量の超過、およびアミンの損失を招きかねません。多変数流量測定技術には、以下の特長があります。

• Heartbeat Technologyにより、プラントの安全性とデータの整合性が向上
• クラス最高の診断範囲 – IEC 61508に準拠して開発
• 多変数測定 – 質量および体積流量、密度、温度、混入ガス検出
• コンパクトな設置が可能 – 上流側/下流側の直管長不要