キーワード、オーダーコード、製品コード、またはシリアル番号で検索してください(例:「CM442」や「技術仕様書」)
2 文字以上を入力して検索を開始してください。

成功は家族から始まる

現代は不確実性の時代で、世界は混乱の最中にあるように見えます。このような厳しい環境にあって、Endress+Hauserが長期的な成功を収め続けるには何が必要でしょう?Steven Endress、Matthias Altendorf氏、CEOのPeter Seldersが意見を交わしました。

14.04.2026 Text: Martin Raab Photography: Andreas Mader
Steven Endress、Matthias Altendorf、Dr Peter Selders

2025年は強い逆風の年でした。Endress+Hauserにとってはどのような年でしたか?

Selders:2025年はグループとして40億ユーロと記録的な売上を達成しました。大きな成果であり大いに誇りに思いますが、それでもまだ目標には及びませんでした。これは主に為替レートの影響によるもので、ユーロ換算により成長率が3 %以上下がりました。それにもかかわらず安定を見せたのは、SICKとの提携による気体分析および流量測定技術関連の事業拡大が要因です。受注と売上ともに安定しており、非常に喜ばしいことです。

一方で既存事業の売上は前年同期比でわずかに減少しました。

Selders:残念なことに事実です!既存事業については、過剰生産に悩む化学産業への投資控えの影響、中国やドイツといった主要市場における景気後退による低迷を実感する結果となりました。部分的にではありますが、これは他の産業分野や他の国々の成長で相殺されました。たとえ私たちにとっては見慣れた数字ではないとしても、依然として高い収益性を達成しています。つまり、今後も投資を続けることができるということです。

Altendorf:世界的な金融危機以降、Endress+Hauserは困難に直面した時期には特に細心の注意を払うということを学びました。さらにグループの組織は強固で財務も堅調です。しかし本当の違いは人材です。2025年は経営陣が素晴らしい仕事をし、従業員は柔軟に熱意を持って事柄をよく理解したうえで現状に対処しました。

Steven Endressの肖像写真

「Endress+Hauserは、これまでも不確実性や困難な局面に直面するたびに、最も大きな成果を上げてきました。」

Steven Endress, 監査役会会長, Endress+Hauser

Endressさん、2025年は創業家一族にとってはどのような年でしたか?本業が思わしくない点についてはご心配でしょうか?

Endress:Endressファミリーの2025年は全体としては堅調に終わりました。そうですね、多くの要因がもたらした混乱は創業家の事業に影響を及ぼしました。心配しているかって?過剰な心配はしていません。ほかの主要な指標が示す内容にかかわらず売上台数はかつてないほど増大し、当社の経営の成功を証明しています。Endress+Hauserにはどんな嵐にも耐える力があり、不確実性と困難が増す時代にこそ度々最高の業績を上げてきました。

現在、創業家には約80人のメンバーがいらっしゃいます。どのように団結と結束を固めておられるのですか?

Endress:家族が増え続けることは会社にとってはリスクであると考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際は反対です。大家族はさまざまな視点、経験、意見といった多様性をもたらし、それによって議論が深まり、最終的にはより的確な意思決定を行うことができます。ただしこれが当てはまるのは、結束力、家族的精神、会社の将来に関するビジョンを共有している場合に限ります。Endressファミリーは、事業が直面している課題と自分たちが利用できる機会のどちらも理解しておきたいという強い意欲を常に示してきました。

Altendorf:創業家はEndress+Hauserにとって重要な成功要因です。その価値観、暖かさ、そして長期的な見通しがあればこそ、会社は安定して楽観的に世界の変化に立ち向かうことができます。つまり、恐れることなく対峙し、事業環境の変化に柔軟に適応できるということです。

Steven Endress

創業者Georg H Endressの孫にあたり、2026年度の年次総会で、監査役会会長を務めるMatthias Altendorfの後任に選出されました。彼は、家族経営の会社の価値観や文化を具現化してモデル化することが自分の役目であると考えています。47歳で、2024年から監査役会で創業家一族を代表してきましたが、その前は12年間Endress+Hauser UKで働いて最終的には最高経営責任者に就任しました。経営管理の学士号とMBAを取得しており、既婚で2人の子どもがいます。

創業家にとって、再び一族から監査役会会長を出すとことはどのような意味を持つのでしょう?

Endress:家族は戦略的な役割を含めて積極的かつ熱心なファミリーメンバーが会社全体に関与してこそファミリービジネスは成功するもので、創業家は長きにわたってその立場に一族から再び送り出すことの重要性を理解してきました。特に私の従姉妹のSandra Gengeがファミリーカウンシルの副議長に就任したことでEndressファミリーが明確な世代交代を果たしたこともあり、これは私たち全員にとって大きな意味があります。監査役会会長として一族を代表できることを大変誇りに思い、私に寄せられた信頼に感謝します。新しい職務を楽しみにしています。それは重要な役割であり、まだ多くを学ぶ必要はありますが、有能で協力的な人々に囲まれています。

取締役会の人事面でも大きな変更が行われています。これにはどんな影響があるでしょう?

Altendorf:前任者の退職に伴う人事の変更はEndress+Hauserでは珍しいことはありません。今回の変更は私がグループに入社してから3回目になります。近年の目覚ましい成長もあって、すべてのポジションを社内の人材だけで埋めることはできません。新しいノウハウの獲得や新鮮なアイデアを取り入れる機会にもなるため、監査役会とCEOは細心の注意を払ってそれぞれ職務に適した人材を探しています。その意味で、私たちの文化は、個人の利益よりも全体としての目標を優先する人々に訴えかける大きくプラスとなります。

Matthias Altendorf、Endress+Hauser Group監査役会前会長

「同族株主はEndress+Hauserにとって重要な成功要因です。」

Matthias Altendorf, 監査役会前会長, Endress+Hauser Group

Altendorfさん、あなたは約40年ぶりにEndress+Hauserを離れられます。ここで過ごされた時間を振り返って今どんなお気持ちですか?

Altendorf:何よりまず深い感謝とともに、謙虚な気持ちになっています。Endressファミリーには特に感謝しています。彼らから寄せられた信頼、価値観、そして長期的な思考は会社にとって非常に有益で、私はキャリアを実現することができました。私個人だけでなく会社の成長も大いに支えてくれた、優れた能力を備え、絆、仲間意識を重んじる人々にも深く感謝します。とりわけ、私たちを信頼し、私たちの仕事に意味を持たせてくださったお客様に感謝申し上げます。

Endress:Mattの業績は本当に素晴らしいものであり、一族一同彼の功績に深く感謝しています。彼の旅には、彼個人の献身だけでなく、Endress+Hauserの特徴である能力主義の文化も反映されています。私は、Mattは私たち創業家の価値観を体現する特別な能力を持っていると考えています。彼は常にEndress+Hauserの理念に忠実に、会社の成長と財務上の成功を導いてきました。

Matthias Altendorf

Matthias Altendorfは、Endress+Hauserで見習い機械工としてキャリアをスタートさせた後、大学で学び、留学期間を経てさらに研鑽を積みました。2009年には取締役会メンバーに指名され、2014年にはCEOに就任しました。2024年からは、監査役会会長として創業家と会社のトップレベルの世代交代を統括してきました。2026年に会社を去った後はさまざまなガバナンス機関に籍を置き、コンサルタントや講師として活動する予定です。58歳既婚、成人した息子が一人います。

CEO兼監査役会会長としての役割を担う中で多くの重要な開発案件を推進してこられました。ご自分の最大の功績は何だとお思いですか?

Altendorf:社内で最大の進歩は、ITから完全なデジタル化への移行、そして経営陣の体系的な発展によるものと考えています。市場と顧客については、グローバル化の機会を活かして高度な分析システムの導入に成功し、ガス技術市場への投資によって大きな弾みを得ました。これを締め括るのがSICKとの提携です。これらすべてが相まってEndress+Hauserはプロセス測定技術の世界的マーケットリーダーとなり、今後も引き続きその地位を堅持するものと期待しています。

Selders:Mattはこれまで会社の継続的な発展に貢献してきました。Endress+Hauserのスタッフとともに売上を大幅に増大させ、機会を捉え、さまざまな危機を乗り越えてファミリー企業としての基盤を強化しました。そしてそのすべてが大きな成果を生み出しています。

Altendorf:最終的には、人々の心を動かし、さらに大きな信頼を勝ち得ることができたとすれば良かったと思っています。特に危機の時代に、会社の人間らしさを保つことができたことを願っています。しかし、監査役会会長やCEOが成し得たものが何であれ、それは彼らだけの力ではありません。18,000以上の従業員が日々改善に取り組んでいます。何より私たちは先人が積み上げてきたものの上に立っているのです。その貢献がなければ私たちの成功も実現しなかったでしょう。

CEO Dr Peter Seldersの肖像写真

「ファミリー企業であるEndress+Hauserは不確実な時代に安定の拠り所となっています」

Peter Selders, 最高経営責任者, Endress+Hauser Group

今回の人事の変更はすべて困難な時代に合致しています。会社としての今後の優先事項は何でしょう?

Selders:私たちは落ち着きを保ち、集中しなければなりません。自分たちを強くしてくれることを続けなければなりません。つまり、常に市場と顧客の近くに居て質の高い製品を供給する信頼のおけるサプライヤーであり、新しい機会を探して捉える必要があります。その鍵は、新しい開発案件を正しく理解して評価する時間を取って中長期的な意思決定を行えるようにすることです。行き当たりばったりに日々のコースを変えるのではなく、機が熟したら決定的な行動を取ることです。創業家は常にこれを基盤とし、家族経営の会社を不確実性の時代の拠り所としてきました。これにより、バランスを保ちつつ中核となる強みを堅持し、一歩ずつ確実に成長し続けることができます。

Endress:残念ながら不確実性と不安定性は珍しいことではなく、むしろ当たり前になりつつあります。Endress+Hauserは厳しい時代であっても常に必要な変化は推し進めてきました。それによって何度も競争から一歩抜きん出ることができたのです。要するに、不確実性もまた機会を生み出すということです。

Dr Peter Selders

Dr Peter Seldersは、2024年からEndress+Hauser GroupのCEOを務めてきました。以前はドイツのマウルブルクのEndress+Hauser Level + Pressureで勤務し、2019年にマネージングディレクターとなっています。物理学の博士号を取得し、初めて就職したのは半導体業界でした。これは短期的な景気循環と株価がもたらした環境です。2004年、変化を求めてファミリー企業であるEndress+Hauserへの転職を決断し、長期的な目標に専念することができるようになりました。56歳で既婚、5人の子供がいます。

2026年度の計画は?

Selders:私たちの目標は引き続き成長です。2026年は、為替相場の影響が残りはするものの、目標達成のチャンスには支障はないものと確信しています。私たちは有意な立場にあり、常にお客様により的確なサポートを提供すべく取り組んでいます。今後もネットワークおよび製品ラインナップの拡充、新しい技術の開発、ガス分析・流量測定技術事業の統合を進めて参ります。新たな成長分野を開拓し、企業としてのレジリエンスをさらに高めることを目指します。

将来的に自信が持てるのはどういったところですか?

Selders:妥協を許さずお客様中心であること、信頼に足る価値あるパートナーであり続けるための徹底的な取り組みに自信を持っています。社員や株主の皆さまにも希望を持っています。団結と結束、そして共通の価値観と目標は計り知れない力の源です。その上、プロセス測定技術の需要も高まっています。この不確時実性の時代においてもまだ市場はあります。

Endress:地政学的な混乱にもかかわらず、大多数の従業員が非常にレベルの高い業績を上げ続けているということから、自信があります。ファミリーメンバーとして、自分たちが続けていること、すなわち研究開発への多額の投資を続けてグローバルインフラを拡充してお客様やパートナーとの関係を深めることが正しいと知ることは希望になります。

ファミリー企業

創業者Dr Georg H Endressは、生涯で8人の子供たちに会社の株式を均等に譲渡しました。現在も株主は、これら創業家の流れをくむメンバーで構成されています。株式の4 %は非営利団体Georg H Endress Foundationが保有しています。Dr. Endressは過去40年にわたって会社を率い、1995年に息子のDr Klaus EndressにグループのCEOを譲りましたが、2014年以降は創業家以外のリーダーが率いていました。最初はMatthias Altendorf、次は2024年以降CEOを務めたDr Peter Seldersです。こうした変遷にもかかわらず、主にEndressファミリー憲章のお陰で創業家は会社と緊密な関係を保ってきました。この重要な文書には、一族の結束を強め、会社への関り方を手引きし、若い世代に事業を紹介するための理念と体制が規定されています。

同様のトピックを読む